NPO法人「みんなの漢方」は、現在不調を抱えている、また、今後抱えるであろう一般生活者に向けて、患者の視点に立ち、漢方医療の正確な知識の普及や関連する病気、症状などの積極的な啓発活動、そして、漢方医療を受けている患者のネットワークを構築し、漢方医療に関する情報を共有していくことを目的としております。
また、同時に公開するウェブサイト「みんなの漢方」などを通して、漢方治療を受けている患者および関心を持つ一般生活者が正しく有用な情報をシェアできる環境の推進を活動の柱としています。
さらには、患者の利益や権利を擁護する「患者アドボカシー」の視点を取り入れたよりよい漢方医療の向上と、一般生活者が漢方医療を受ける環境の充実を図ってまいります。
我が国において、便秘、関節痛(症)、頭痛、睡眠障害、うつ、ストレス、更年期障害(※1)や、現代女性の80%が経験している(※2)という生理痛など、さまざまな不調に悩む人は、年々、増加傾向にあります。しかしながら、その詳しい状況や対処法が、広く一般生活者に知られている状態には至っていません。
このような西洋医学では病名が特定できない不調に対する治療を得意としているのが、1剤で複数の症状が改善されることもある日本独自の「漢方医療(漢方薬・漢方医学)」です。現在、148処方の漢方薬が健康保険(2012年3月現在)適用対象となっており、より漢方薬が身近になり、正しい診断のもと利用されるケースが増えてきました。
このような状況を鑑み、西洋医学だけでは解決できない、不調に困っている方々に健康的な生活を送るための情報を提供することと、漢方医療の視点を取り入れた食事や生活習慣など、日本独自の「漢方の文化」の普及・発展にも役立つと考えております。
※1 出典:厚生労働省平成20年患者調査 疾病分類
※2 出典:働く女性健康研究センター2005年~2007年
